2009年の重大ニュース

衆院選で民主党圧勝。政権交代で鳩山政権誕生

8月30日投票の衆院選で、民主党が308議席の大勝。自民党は119議席という歴史的大敗を喫し初の第2党に転落した。9月16日の特別国会で鳩山由紀夫民主党代表が第93代首相に選出され、民主党、社民党、国民新党の連立内閣が発足。「政権交代」は流行語にもなった。

裁判員裁判がスタート

有権者が重大な刑事事件の公判に加わり、有罪無罪や量刑を考える裁判員裁判がスタートした。8月に東京地裁での最初のケースの後、順次各地の地裁で行われた。1943年の陪審制度停止以来、66年ぶりに法廷審理の場に市民が並んだ。

新型インフルエンザが大流行、死者も増加

5月に大阪府の男子高校生らが成田空港での検疫で初の国内の感染者と確認され、8月に沖縄県の男性感染者が初めて国内で死亡。12月には死者が100人を超え、休校や学年、学級閉鎖の教育関連施設も相次いだ。

円高。デフレ宣言。日航経営危機など企業業績悪化

トヨタ自動車が歴史的な赤字、経営難に陥った日本航空が政府管理下で再建を目指すなど大手企業の経営不振が相次いだ。円高に加え、11月には政府がデフレ宣言。需要の低迷、景気悪化の長期化を懸念する声も。

事業仕分け、八ツ場ダム中止など新政権の政策続々と

与党議員と民間有識者らが「仕分け人」となり、来年度予算要求に盛り込まれた事業を質疑、討論して「廃止」「予算削減」「見直し」などと判定する「事業仕分け」が注目を浴びた。税金の使われ方の過程が見え、おおむね好評だった。八ツ場ダム中止、羽田空港の国際拠点(ハブ)空港化などの政策提案も話題に。

年越し派遣村に多くの人。失業率最悪レベルと雇用不安

派遣切りなどにあった人を支援する「年越し派遣村」(東京・日比谷公園)に、昨年の大みそかから年明けにかけ数百人が集まり、厚労省が講堂を開放するなど大きな動きに。失業率も7月時点で過去最悪の5・7%を記録。雇用状況の厳しさはなお続いている。

足利事件でDNA不一致の菅家さん釈放、再審開始

1990年、栃木県足利市で当時4歳の保育園児が殺害された事件で、無期懲役となり服役中だった菅家利和さんのDNAの型が、東京高裁での再鑑定の結果、事件で残されたものと不一致と判明。菅家さんは釈放され、6月に再審開始が決定、10月に宇都宮地裁で再審が始まった。他事件のDNA型鑑定への疑問や取り調べ可視化を求める意見も出た。

WBCで日本が連覇。イチロー、松井秀もメジャーで活躍

野球の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で日本が韓国を破り2連覇。米大リーグではマリナーズのイチロー選手が日米通算で、張本勲氏の3085安打の日本プロ野球記録を上回る最多安打を記録。大リーグ史上初の9年連続200安打も達成した。ヤンキースの松井秀喜選手がワールドシリーズで日本人初の最優秀選手(MVP)となるなど、日本人野球選手の活躍が目立った。松井選手はエンゼルスに移籍が決まった。

核持ち込みなどの外交密約で元次官らの証言、相次ぐ

1960年の日米安全保障条約改定の際、核兵器を積んだ米軍の艦船や航空機の日本立ち寄りを黙認することで合意した「核持ち込み」に関する密約があったことを元外務事務次官らが証言。麻生政権は密約を否定したが、政権交代後、外務省は密約の存在を認める方向で第三者の有識者会議を開いて精査中。岡田外相は来年1月に調査結果を公表すると表明。

地方の高速道路が土日祝日、1,000円で乗り放題

自動料金収受システム(ETC)を利用すると、地方圏で高速道路が土日祝日、上限1,000円で乗り放題となる割引が3月スタート。大型連休を中心に家族連れのマイカーでにぎわった。民主党もマニフェストで高速道路無料化を打ち出したが、検討段階だ。

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