2011年の重大ニュース

東日本大震災と東電福島第1原発事故

3月11日午後2時46分、宮城県沖約130キロを震源とした地震が発生。震度7、マグニチュード9.0と日本の観測史上最大規模で、東日本大震災と名付けられた。死者・行方不明者は大津波に襲われた岩手、宮城、福島、茨城、千葉各県の沿岸部を中心に約2万人を数えた。被害額は16兆9千億円で阪神大震災の1.8倍。政府は5年間の集中復興期間で19兆円が必要と想定する。だが初代復興対策担当相が暴言で辞任するなどの政治の不手際や、復興財源に充てる増税の調整にも手間取ったことから、復旧・復興は遅れ気味。震災に伴い東京電力福島第1原発では全電源が失われて原子炉が冷却できなくなりメルトダウンが起きた。さらに水素爆発で大量の放射性セシウムが大気中に放出され、東日本の各地で検出された。

サッカー女子W杯、なでしこジャパン世界一

7月にドイツで行われたサッカーの第6回女子ワールドカップ(W杯)で日本代表「なでしこジャパン」が米国を破って初優勝。欧米勢以外での初制覇で、チームには国民栄誉賞、紫綬褒章が贈られた。

菅首相が居座りの末退陣、ドジョウ野田内閣誕生

6月の民主党代議士会で菅直人首相は「一定のめどがついた段階で若い世代に引き継ぎたい」と辞意表明後、3カ月も居座り8月末に退陣した。後任の野田 首相は「ドジョウらしく泥くさく政治を前進させる」。

円が戦後最高値を更新、円売り介入、輸出産業苦境に

震災直後、約16年ぶりに戦後最高値を更新、円売り協調介入で85円台まで戻したが、欧州危機が深刻化した10月末には1ドル=75円32銭と再び更新した。政府は単独介入したが超円高は常態化し、輸出産業に影響が。

野田首相がTPP交渉参加を表明

貿易やサービスの自由化を図る環太平洋連携協定(TPP)交渉へ参加する方針を野田首相が11月に表明、オバマ米大統領に伝えた。アジアの経済成長を取り込む狙いだが、農業団体を中心に反対の声が強い。

東電が初の計画停電、夏は15%節電

電力不足で東電は震災直後から、地域ごとに交代で電気を止める「計画停電」を初実施。7月には東電と東北電力管内で約37年ぶりの電力使用制限令が発動され、大企業は15%削減を強制された。自動車メーカーが輪番休業するなど影響も。

政府要請で浜岡原発停止、九電ではやらせメール問題

5月に菅首相が東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡県)の全原子炉の運転停止を要請、中部電力も受け入れた。6月には玄海原発(佐賀県)の運転再開に向け、九州電力が国主催の説明番組に賛成意見を投稿するよう子会社などにメールで呼び掛けたことが発覚、社長の進退問題に。

大阪ダブル選で橋下氏、愛知トリプル選で河村氏側完勝

11月の大阪市長選で「大阪維新の会」代表で府知事を辞め出馬した橋下徹氏が圧勝、知事選も同会幹事長の元府議が当選した。2月の名古屋市長選では「減税日本」公認の河村たかし氏が大差で再選され、愛知県知事選は連携する前衆院議員大村秀章氏が初当選。住民投票で解散した市議会の出直し選では第1党に。

小沢民主党元代表を強制起訴、元秘書3人は有罪

小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件で検察官役の指定弁護士は1月、政治資金規正法違反の罪に問われた元秘書3人と共謀したとして小沢元代表を強制起訴。元代表は10月の初公判で全面無罪を主張した。元秘書3人には9月に有罪判決。

八百長問題で大相撲春場所中止、25人が角界追放

現役関取らによる「八百長メール」が2月に発覚。日本相撲協会は3月の春場所を中止、八百長に関与したとして力士、親方ら25人を引退勧告などの処分で追放した。

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