2012年の重大ニュース

衆院選で自公が政権奪還、第2次安倍内閣発足

8月の民主、自民、公明の3党首会談は、野田佳彦首相が示した「近いうちに信を問う」で合意し、解散に注目が集まる中、11月の党首討論で野田首相が突如、解散時期を表明した。12党が乱立した12月16日の衆院選で自公が圧勝して政権を奪還し、26日に第2次安倍内閣発足が誕生した。注目を集めた第三極「日本維新の会」は民主党と僅差の第3党に大躍進した。

尖閣諸島、竹島の領有権問題で日中、日韓関係が悪化

4月に石原慎太郎東京都知事が沖縄県・尖閣諸島の都による買い取りを表明、最終的に国が9月に国有化した。中国側は「自国固有の領土」と強く反発して大規模な反日デモが起き、領空、領海侵犯も頻発。国交正常化40周年の記念式典も中止され、日中関係は急速に冷え経済への悪影響も目立った。日韓両国が領有権を主張する島根県の竹島を8月、韓国の 李明博 (イミョンバク) 大統領が初めて訪問、日本側は駐韓国大使を一時帰国させた。

消費税増税法が成立、2段階で10%へ

民主、自民、公明3党などの賛成多数で8月に消費税増税法が成立、現行5%の税率は2014年4月に8%、15年10月に10%へ。引き上げは付則で示した「名目3%、実質2%の経済成長」が条件で、13年秋ごろ最終判断する。社会保障関係費が毎年1兆円ずつ増え、財政再建も急務で、さらに一段のアップも。

iPS細胞の山中教授にノーベル賞

さまざまな組織の細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発した 山中伸弥 京都大教授が12月10日、ノーベル医学生理学賞を授与された。開発から6年のスピード受賞で、日本人の受賞は2年ぶり19人目。再生医療や創薬への利用が期待される。

原発利用で国論二分、敦賀原発は廃炉濃厚

11年3月の東京電力福島第1原発事故以降、原発の安全性への信頼性が失われ、今年5月に国内の商業用原発50基が42年ぶりに全停止。脱原発デモも国会前などで行われ、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)が再稼働した夏には20万人規模に。総選挙でも脱原発が争点になり、国論は二分された。9月発足の原子力規制委員会は12月10日、日本原子力発電敦賀原発(同)の原子炉直下に活断層がある可能性が高いとの見解で一致、廃炉の可能性が濃厚に。

ロンドン五輪でメダル最多の38個

夏にロンドンで開かれた五輪で、日本選手団は金7、銀14、銅17と過去最多のメダル38個を獲得。3大会連続で優勝したレスリング女子の 吉田沙保里 選手には11月、国民栄誉賞が授与された。

新型輸送機オスプレイを沖縄配備

米軍の新型輸送機MV22オスプレイが10月、沖縄県の普天間飛行場に初めて配備された。開発段階や実戦で墜落事故を起こし、安全性への懸念から沖縄県や住民が反発。米兵による事件も相次ぎ、沖縄と、政府や米軍との関係悪化が際立った本土復帰40周年だった。

尼崎連続変死事件、主犯格容疑者は留置場で死亡

兵庫県尼崎市の貸倉庫で昨年11月に女性遺体が見つかった事件が始まり。傷害致死罪などで起訴された主犯格の 角田美代子容疑者(64)の周辺では、親族や同居人など計6人の遺体が見つかる異様な展開に。殺人容疑などで今年12月に再逮捕された角田容疑者は県警本部の留置場で死亡。自殺したとみられ、全容解明は難しくなった。

家電メーカー総崩れ、エルピーダメモリは破綻

超円高や世界景気の減速、海外メーカーとの販売競争でパナソニック、ソニー、シャープの3社は12年3月期に巨額赤字に。半導体大手エルピーダメモリは、2月に会社更生法の適用を東京地裁に申請し経営破綻した。

東京電力が実質国有化、電力各社料金値上げへ

東京電力は7月、破綻を回避するため政府から公的資金1兆円の資本注入を受け、実質国有化された。火力発電の燃料費増加で電力10社中8社が9月中間連結決算で赤字。東電は9月に家庭向け料金を32年ぶりに値上げし、関西、九州など原発依存の各電力も追随へ。

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